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五行歌雑誌「ハマ風」の歌紹介ブログ
by machako-hamakaze
ICELANDia
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【管理人】 岡本まさ子
【著 書】 五行歌集
       「宙で寝返り」

【プロフィール】
五行歌雑誌「ハマ風」編集してます。
・藤沢日曜歌会の代表をしています。

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歌会にもいろいろあって

そうなんです。

五行歌の自由さを!という感じで某日、某所で開かれた
某歌会の様子を。

雑誌にも載らないので、上席と印象に残った歌を。


ゆらゆら揺れて
水面に映る
満開の夜桜
おいでおいで池底の世界へ
と 手招きする

 夜桜の雰囲気は本当に不思議です。宴会を少し離れて
 闇に浮かぶ白い姿は幽遠。川や池の水面に触れんばかりに
 枝を伸ばしている、その桜はまるで水底へと誘っているようと、
 作者。一つ教えていただいてのは、枝が水面近くに伸びるのは
 水面の光が桜の枝を寄せるのだとか。太陽からの光と水からの
 光、これもまた不思議な自然のあり様です。三席。


マジックで
噴水に
ほろほろと
花をつけたように
枝垂れ桜咲く

 このお歌に私は3点いれました。全体での点としては高くなかった
 のですが、2行目からの表現に惚れてしまいました。
 ですが、議論かまびすしかったのは1行目です。
 ①完全な比喩の歌だから、「マジックで」はいらないのでは
 ②マジックペンと思ったから「ほろほろ」という印象はない
 など、でした。確かに、私も①の意見なのですが、そのあとの4行の
 美しさに3点いれました。比喩は「マジック」のようなものですから。
 作者も、「マジックで」をとった形で作っても見られたとのことです。


自販機が
防犯カメラに
熱い視線
あびせられてる
恋の街

 防犯カメラと自販機の道ならぬ恋か、あびせられるは否応なしの
 こと、自販機が見つめ返せるわけもなし、私は歌舞伎町を連想、
 社会詠だととって、点を入れました。


交差点に舞う
桜吹雪
保育園児たちの歓声に包まれ
シンフォニー「春」
終楽章を奏でる

 ある方が他の歌会だったら絶対1席と。そうおっしゃるのも
 むべなるかなの、完成されたお歌。ひねくれものの私はこの
 出来すぎ感でためらいました。起承転結みごとに。同点3席。


心の
風穴
開けられるのなら
一晩中でも
話してあげる

 このお歌は2席でしたが、5行目を巡ってやはり喧々囂々。
 「あげる」が偉そうに聞こえる、上から見ている感じだとか。

 でも、「あげる」そのものは下から上にものを移動する
 あげるという語源。

 「やる」にはどこかわからないところへ やってしまうという
 ほおり出してしまう意味があるので、やはりペットや子供には
 「あげる」を使いたい気持ちはわかります。
 
 この場合は親しい人への語り口で違和感がないと思います。
 むしろ、私がひっかかったのは2行目「かざあな」。「どてっぱら
 に風穴あけてやる」みたいに感じるので、「かざあな」の雅語
 表現である「ふうけつ」とルビをふっていただくか、漢語を
 使わず「心に風の道」とか柔らかくされたほうが私は好きかな。
 

私の歌

夜明けの畑から
農夫の魂が
立ち上がるような
白いもや
繰返し耕せよ と

 0点覚悟で出した歌です。3月に行ったスイスでの夜明け前に乗った
 列車からみた畑に、全体のもやではなく、まさしく揺らいだ人の形に
 白いもやが無数にたっていました。その光景を見て衝撃をうけたのです。
 
 幾世代にもわたって、耕していた農夫たちの意志が見えた気がして
 今の日本の農業のこともちらりと頭にありました。
 おもいがけなく1席いただき、作者はびっくり。

 
 歌会はあと2つありましたので、来週初めには更新したいです。
 
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by machako-hamakaze | 2008-04-25 10:29
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