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五行歌雑誌「ハマ風」の歌紹介ブログ
by machako-hamakaze
ICELANDia
,
【管理人】 岡本まさ子
【著 書】 五行歌集
       「宙で寝返り」

【プロフィール】
五行歌雑誌「ハマ風」編集してます。
・藤沢日曜歌会の代表をしています。

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あと3歌会ありますので、連日です

九日の藤沢火曜歌会です。

今回一席のお歌ですが、例によって、ハマ風の歌会たよりを待って
いただくことになるのですが、30年来の親友をなくされたN草さんのお歌。
2点いれた私のコメントはもう、声がつまり、作者コメントも涙、
そしてまたもらい泣き。

私もそうでしたが、亡き人をおくる歌をつくると、ますますその方が
身近に感じられ、いつまでも心の中にいてくれるような気がします。
歌会で上席になるならないに係わらず五行歌にすることを
お勧めします。悲しみの淵に沈むことから救われます。


片や孫娘
片や頑固じじい
二人の冷戦いつ迄続く
言葉の武器には
終わりがなさそう

 ご主人と孫娘の冷戦を、おろおろと見守るしかないやさしいおばあちゃま。
 世代の相違、親御さんの考え方で、この冷戦は思ったより長引いて 
 いるようですね。読み手はむしろほほえましいものを感じてしまいましたが
 作者曰く、いつまで続くのか、おばあちゃんはいいけど、おじいちゃんが・・
 と孫娘さんが言われたそうです。すこしずつ解けて行けばよいですね。


夏休みが始まる頃
ニイニイゼミが鳴き
ツクツクボウシが
宿題を急き立てる
カキ氷の道具もしまう

 夏休みが始まるころと終わりのころを、蝉の鳴き声、道具をしまうことなどで
 表現された。1行と2行が逆だったらわかりやすかったのに、という声が
 多かったですね。同感です。実際にカキ氷の道具をしまうことはなくても
 この所作で夏の終わりということがわかります。
 4行目と5行目が「○○する」という動詞で終ったのも、味わいとなるには
 もう一工夫されると良いと思います。
 セミと道具を季節の移り変わりに表現されたのはとてもよいと思います。


桜の木に毛虫が大量発生
脚立の上に立ち 薬を撒く
虫嫌いの夫が下で叫んでいる
「落ちるなよ~」
一握りの優しさ・・・か?

 この奥様の男らしさ?いやかっこよさ、そして、ご主人の優しさが
 対照的で面白いです。優しさは一握りどころではないですよ。
 大嫌いな虫がぽとぽと落ちてくるかもしれない木の下で、家にこもるには
 高いところで虫退治の奥様が心配で、じっとしておられなかったのですもの。
 ステキなご夫婦とお見受けしました。
 

三角に切られて皿の上の西瓜
赤い果肉と黒い種
幼かった娘に着せた
ウールの袂に見えて
遠い遠い思い出

 いやはや、三角に切られた西瓜をお嬢様に着せられたウールの着物の
 袂に見えたとは、すばらしい感性ですね。
 昔、ウールの着物のことはただ「ウール」と母も言っていました。
 1、2行目はまるで、静物画のようです。
 しかも、淡い色ではなく、けっこう極彩色の感じ。それを前にして
 水彩画のような思い出が蘇ってきます。
by machako-hamakaze | 2008-09-20 11:19
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