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五行歌雑誌「ハマ風」の歌紹介ブログ
by machako-hamakaze
ICELANDia
,
【管理人】 岡本まさ子
【著 書】 五行歌集
       「宙で寝返り」

【プロフィール】
五行歌雑誌「ハマ風」編集してます。
・藤沢日曜歌会の代表をしています。

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<   2009年 03月 ( 9 )   > この月の画像一覧

新歌会「ひまわり会」の発会

3日連続の歌会だったせいか、順番を間違えてしまいました、

火曜歌会の前日、3月16日(月)に新しい歌会「ひまわり会」は発足
いたしました。
場所は能見台の地区センターです。
京急線では初めての歌会です。
ひまわりのように、明るくたのしい歌会になりそうです。

K雲さんのミニ講演からはじまりました。


同級会の案内と
葉書き、メールではなく
一人一人に電話で
元気な声を聞きながら、と
お国訛りが懐かしく誘う

 葉書き、メールも良いですが、お声が聞こえてお誘いを受けたほうが、
 懐かしさも倍増です。是非とも、参加しなくてはと電話を戴いた方は
 思うことでしょう。ましてや胸キュンのお国訛りの声であれば。

 このお歌は作者が誘っているのか、誘われているのが少し解かりにくい。
 助詞の使い方を少し工夫して欲しいですね。あとは、最後の言葉が「誘う」と
 あるので、誘った人が、作者のように思えてしまうのかもしれません。


オランダ生まれの
黄色いさくら草
いつも春一番に咲くね
あなたは律儀
そして可憐

 そのまま「花言葉」にでもなりそうな、やさしい表現です。
 初めて歌を書かれたという作者。
 黄色いさくら草があるとは知りませんでした。見てみたいです。
 4、5行目の名詞止が効果的です。


セカンドステージも
君は名脇役
空に舞え と
シャボン玉を吹きあげる
麦のストロー

 今日一番好きだったお歌です。
 いつでもどこでも(食いしん坊の私は白米と一緒に炊く麦の量のことを
 考えました・・笑)麦は名脇役です。栄養もあり、そして、刈られたあとも
 麦わら帽子になったり、ストローになったり、そのストローでとばす
 シャボン玉・・・・メルヘンの世界です。
 作者は、お花を生ける時に、麦が名脇役で、とのこと。
 なんでも食べることに結びつける私はちょっと恥ずかしい・・・


食事のメニューに
日々悩む・・・
お口の中にも春を
菜の花パスタ!
スプリング ハズ カム

 まるで、キッチンでダンスをしながら、菜の花のパスタを作っておられる
 作者が眼に浮かぶ。ちょっと昔のアメリカ映画のよう・・・だって、今頃は
 アメリカの奥様方、あまりお料理されないようですから。
 シャレていてリズムがあり、5行目のカタカナ英語が生きています。
 作者は「ひまわり会」の代表さんのT内さんでした。


これからも楽しい歌会を期待していますね。
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by machako-hamakaze | 2009-03-30 09:36

藤沢火曜歌会も74回です。

日曜歌会にご出席の方が常に20人を越えて、もう一つ藤沢に歌会を
と、H野さんに代表をお引き受けいただいた火曜歌会も74回目です。
日曜が3月で100回でしたから、当然なのですが、そうかあ・・・と
感慨深いものがあります。

特に記念歌会というのではないのですが、この数字にちょっと
感動しました。

この日は前回初出席で1席をさらっていかれたSUN-SUNのU野さん
は司会で、そして楽しい楽しい代表のN子さんも火曜に初出席して
くださいました。熱心にお誘いくださっていたたN子さんのご友人の
K西さんは花粉症で残念ながらお休みです。
N子さんの楽しいコメントに大爆笑の連続でした。
U野さん、N子さんおふたりとも同点3席と好調。

そして、なんといっても第1席は我らがアイドル94歳のKさんです。
その、生き生きした表現、たくましさにみな脱帽です。
いつもでしたら、ハマ風を待つのですが、今回は一足先にご紹介
いたします。


かちんかちんの
へぼちょくりん
自家産の赤蕪に
必死の形相で
歯をたていどむ

 もう、云うことありません。歯もお丈夫なのでしょう。
 スイミングに行かれるスポーツクラブに併設されたエステクラブにも
 月2回いかれるようになって、90歳すぎて、初めて化粧をしましたと
 つやつやのお肌のK子さん。いつか、お電話でお話したときに、
 こうおっしゃったのをうかがい仰天いたしました。
 「まさ子さん、私、90過ぎたら、物忘れするようになりました」
 

では作品を。

起き抜けの
大きなくしゃみに
私の花粉症は
今日も元気だと
確認させられる

 なんとも、ユニークな発想です。
 ご自身がお元気だ、というのならともかく、作者の花粉症が元気だ、と。
 でも、大きなくしゃみができて、花粉症をわずらっていられるのも、他が
 元気な証拠ともいえます。無病息災というのは昔のこと、今は1病息災
 が良いのでは。


診察室から出て来た
患者の背中
カイロがぺたり
黙っている、教えてあげる
悩みつつ通りすぎた

 作者の悩ましい姿が眼に浮かびます。どうせすぐ外に出たらコートを
 着られるだろうから、ここで声をかけて恥をかかせるよりは、黙って
 いたほうが、いやいややはり気付かせてあげたほうが、他所でコートを
 脱ぐかもしれないし・・・あらあら、もういっちゃった・・・という具合でしょう。
 N子さんの、似た様な武勇伝もたっぷりありました(笑)


胸のときめきは
昔のこと と
足のよろめきの方に
話題が移る
久し振りの同窓会
 
 確かに、年がいくほどに、話題は色っぽいところから、だんだんに、子供、
 孫、嫁姑、年金、体調、そしてお墓と変わっていくようです。
 作者たちの胸のときめきはけっしてなくなったわけではないのでしょうが、
 それはひとまず胸に収めて、現実問題のほうへ。
 どうぞ、いつまでもお元気でいらしてください。ハマ風の黄門さま。


私の歌。

「えーん て泣いとったあ?」
幼子の問いに
若い母親が
やわらかく応える
「泣いとったねえ」

 買物に行く途中、フェンスに手を掛けて電車をみながら、可愛い2・3歳の
 男の子のあどけない声。「泣いとったあ」の言葉に、どこからか転居して
 きて間もないとわかりました。鳥取の米子に10年いた私には懐かしい
 ひびきの方言です。それに応えるお母さんのまた穏やかで柔らかい
 口調が、あたたかくさせました。
 誰が泣いていたのか、どうして泣いていたのか前後の事情はわからない
 けれど、歌にしたかった場面でした。
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by machako-hamakaze | 2009-03-27 09:48

「南の風」のT原さんご夫妻ご出席の新横浜歌会

せっかくお二人がいらしてくださるというのに、連日の歌会の合間であり、
マンションの総会と重なり、残念ながら欠席しました。

ご主人のN夫さんが第1席、奥様のM子さんが第2席でらっしゃいました。
N夫さん真骨頂の社会詠で。M子さんは美しい思いの叙景です。
ハマ風6月号お楽しみに。


突然、暗くなったり
陽気になったと思えば
荒れ狂い 気まま我儘に
ホトホト愛想が尽きた
三月の空の事です が

 うまい!
 4行目までの運びが、いかさま荒れる人間のありように読ませて、5行目で
 逆転。しかも、「三月の空の事です」と終らないで、一文字あけの「が」が
 効いています。大好きなお歌ですねえ。


老後は田舎暮らし
といわれてもナァ
いきなり
仏門のような
生活転換はナァ

 そうですよねえ。心積もりというものがありますもの。
 でも、田舎暮らし即仏門のような生活とは限りませんよ。
 ただ、巷に赤提灯、妖しい笑顔で手招きの姿があるかどうかは保証
 できません。
 晴耕雨読の生活もまた良いのでは・・・少なくとも、お酒は飲めますよ。
 ほどほどにね。


片方の羽折れて曲った姿で
池の石に立ちつくす
一羽のサギ
怒りと悲しみを
その細い脚でじっと耐える

 どうして羽が折れたのでしょう。心無く捨てていった釣り針をくちばしに
 ひっかけたままや、網のようなものが絡みついた鳥、プラスチィックの
 カケラを飲み込んでしまった動物などが居ます。
 山から動物が下りてきて、里の食べ物を荒らすというけれど、すべて
 人間が自然を破壊してしまったからのこと。
 作者はもの言わぬ、一羽のサギに、人間の業を見ています。
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by machako-hamakaze | 2009-03-24 11:33

鎌倉歌会

松井さんが本当に亡くなられたのが信じられないのですが、もう一ヶ月が
過ぎました。
会員さんで、松井さんにお会いされたことのない方もいらっしゃいます。
思い出されるのは、あの少女のような悪戯っぽい目と笑顔です。
本当に残念でたまりません。

今回は松井さんのあとの代表さんになられたK藤さんはご家族の介護で
お休みです。


ジャズ イン カマクラ
扉をあけたら
轟音に包まれる
一瞬
開放された 心

 扉一枚で違う世界が開けている様子が伝わります。
 轟音は私はドラムスお思ったのですが、金管楽器の音だったそうです。
 最初は何事!と思う轟音ですが、ジャズの軽快なリズムに作者の心が
 開放された・・・すてきな体験されましたね。


離れてはいられなくて
愛しい夫君(ひと)のもとへ
これで、この天界のどこかに
純愛の星が
永遠にきらめきます

 すぐに、松井さんへの追悼のお歌とわかりました。
 ご主人のご逝去のあと、まるでまだいらっしゃるように、「松井が松井が」と
 お話されていらした文子さん。
 3回忌を前にご主人のもとへいかれました。


一輪生けた
蕗のとう
日ごとに ひらく
春が
背伸びしているように

 蕗のとうは、蕗みそにすることはあっても(実は今作りかけています・・笑)
 生けるということをしたことがありませんし、考えたこともないです。
 その蕗のとうを生けられる作者は只者ではありませんね。
 その蕗のとうが日ごとに伸びて、開いていくと。
 春の背伸びにたとえらえた素敵なお歌。


私の歌

つん と
くちびる突きだして
春陽のキスを
待っている
木瓜の蕾の紅(くれない)

 ぷっくりとした蕾の木瓜(ぼけ)。道行く時に見かけて、曇り空が続いたいた
 ころだったので、ああ春の陽が待ち遠しいだろうなあ、と思って。
 
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by machako-hamakaze | 2009-03-20 13:20

ハマのうたかい

ハマ風の会を立ち上げる時、お昼の会を県民センターで、と発会した
「ハマのうたかい」も42回になりました。

「ひらがな式部」と愛称のある代表さんにちなんで、歌会の名前も
カタカナとひらがなで。
しっかり物の事務局さんがいてくださり、おだやかで、あたたかい会員
さんが少しずつ増えていき、とても心温まる歌会になっています。

今日は投稿会員さんでらっしゃいますが、お仕事でなかなか歌会には
ご出席いただけなかった、S香さんがこの歌会が一番便利なので、と
初参加してくださり、そして第1席になられました。


冷たいおててで
誰か
ほっぺ 撫でていったよ
一瞬の風に幼児の言葉
可愛い表現に笑顔が広がる

 良いお歌そろいの中で、ひときわ好きなお歌でした。
 通りすがりの幼児の言葉を切り取られたのですが、とても微笑ましい。
 4,5行目が少し説明的になったので、整理されるともっともっと
 すっきりと良いお歌に。


冬将軍が
元気ありません
風邪を引いたのかしら
暖冬といわれて
気落ちしているのです

 このお歌もなんとも良い味をだしています。
 冬将軍が風邪をひいたとか、気落ちしているとか、メルヘンの世界です。
 でも、このメルヘンは可愛いだけでなく、昨今の暖冬、つまり地球の
 温暖化へ、柔らかい警鐘となっています。


予報が一日ずれた
どうも雨女がいるらしい
それでも
心のお洗濯には適マーク   (適は○でかこまれています)
よ~く乾いて

 このお歌は議論沸騰したお歌でした。
 さて、雨の中、この方は出かけられたか、やめたのか。
 私も含めてほとんどの方がやめたほうと取られました。

 面白い表現で私も入れたのですが、5行目に一寸違和感。
 4行目の心のお洗濯までは良かったのですが、「よ~く乾いて」
 だと、心が乾くと繋がってしまいがちです。

 作者のお話では雨にもかかわらずお出かけされたとのこと。
 4、5行目でそこのところを表現されたら、良かったかな、と。

私の歌

ちっちゃな指で
あの子がつまむ
卵ボーロのような蕾
ゆっくり
大きくなっていいんだよ

 通りすがりのお宅の庭木を見たときの歌です。
 梅だと思うのですが珍しい黄色い蕾。蝋梅ではなかったのです。
 大きさといい、色といい、先日孫がテーブルからつまんでいた
 卵ボーロを思い出し、詠いました。

 子供は早く大きくなってと思ってましたが、なかなか接することができない
 孫は見るたびに大きくなっていて、春が過ぎ去るのを惜しむのと同じに
 もっとゆっくり大きくなってね、とばあちゃん心でした(笑)
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by machako-hamakaze | 2009-03-17 09:48

おひな祭りの中、歌会SUN-SUN

本来なら、おひな祭りともなれば、桜餅やあられなどが、歌会のお菓子として
登場するのですが、会場はお茶以外は飲食禁止の場所です。
とても、とても悲しい・・・笑

歌会はお菓子目的じゃあないでしょ!といわれそうですが、歌会で
皆さんとおしゃべりしながらいただくお菓子がまた、おいしいのです。
だって、昔みたいに、家でお茶のみとかしなくなりましたからね。

まあ、それはともかく、今回も良いお歌そろいで、しかも4首しか
えらべなかったので、つらい選歌でした。

そして、今回、いつもご夫妻でいらしてくださっているSさんお二人が揃って
同点一席という快挙!
おめでとうございます。
お二人揃っては、初めてのことだそうです。


ふきのとうに
名残の雪が
ふんわり 落ちて
明日の春を
待ち侘びる

 いかにも、早春の冷たい朝、といった感じがよくでています。。
 「ふきのとうに名残の雪」「ふんわり」「明日の春」と、すこし綺麗過ぎる
 ことばが 並んだ感があります。
 流れるようなことばが続き、五行歌としてはあと一歩突っ込んだ作者の
 思いのごつごつ感、肉や血といったものが感じられる言葉、が欲しいかな。
 きれいで無駄がなさすぎます、と理不尽な評をしてしまいました。
 すみません。


つらい!
杉花粉のこの季節
つき合って三十年に
もうそろそろ
開放して!

 いかにも、花粉症のつらさが出ています。しかも三十年とは。
 作者は、お部屋に入ったとたん、わかりました。
 目やお鼻が真っ赤、いつものおきれいなお顔も少しむくんでおられました。
 本当に辛そうで、プリントみて、ああとわかったのですが(多分全員)
 採点前ですので、皆さんお口にチャック。
 5行目は「解放」のほうが、より伝わるかな、と。


人なつっこくて
やさしい目をした牛たち
美味しい肉を
持ってしまった
運命の残酷

 いかにも、美食家の辛い気持ちがでています。
 よく、テレビなどで、酪農家の人が飼っている牛を可愛い可愛い、手塩に
 かけて育てているとおっしゃるが、そのあと肉牛として売るときの気持ちは
 どんなかな、と思っていました。
 愛くるしい目を見たとき、特に動物好きの人はどうして、こんな可愛い
 動物のお肉を美味しいと食べちゃうんだろう、と思うでしょう。
 5行目の「運命」はないほうが、逃げちゃう感じにならないと思うのですが・・・


今日は「いかにも」で評の頭をまとめてみました
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by machako-hamakaze | 2009-03-12 15:39

100回記念歌会 藤沢日曜歌会 ありがとうございました<m(__)m>

おかげさまで、藤沢日曜歌会は100回を迎えることができました。
お花見や朗読、いも煮会歌会など、回数を数えない時もあったので、
本当はもう少し前だったかもしれませんが(と、覚えていない代表^_^;)
とにもかくにも、皆様のお蔭でこうして目出度い回数を迎えることが
できました。

そして、ずっと会計をしてくださり、私の心の支えとなってくださって
いるH野さんに、ようやく会計の御礼を本当に、些少ですが
(なんと言っても、受け取ってくれなかったもので・・・会計が承諾
しないと、だめだから・・笑)受け取っていただくことができて、
ホットしています。
本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

そして、3月は向井文丸さんを偲ぶ会である「しじま会」でもあります。
向井さんをご存知の方も、ご存知ない方にも、すばらしい歌人が
いらしたことをお伝えしたくて、3月は向井さんにちなむ題詠と
自由詠の2首をだしていただいております。

今回は「椅子」でした。
たくさんの秀歌のご投稿いただきました。


車椅子の席で喜ばれる
文丸さんの笑顔が
私の瞼に浮かんで来ます
「100回記念歌会
皆さん、おめでとう!」

 題詠「椅子」の1番に置かせていただきました。
 まさに向井さんがいらしたお席が、その笑顔やコメントをおっしゃる時の
 真剣なお顔が目に浮かびます。
 きっと喜んでくださっていると、私も思います。


静寂の中に椿の花
庭に面した廊下に
それは在る
家族が一度は座って
まどろんだ古い籐の椅子

 一時代前の日本映画のシーンのような風景。
 その椅子の場所を語り、そして、それは家族が座ったことを覚えていて
 くれるような気がします。
 籐の椅子だからこそ、柔らかい感触が、思い出の人の温もりまでが
 伝わってくるような・・・


背もたれと弾力が
気に入って
手に入れし椅子
秘かにアダムの膝の上と
名付けおく

 なんとも、色っぽいというか、上品なエロスの香り。
 よほど掛け心地が良いのでしょう。
 男性から、「ア」と「マ」を変えると、全然違った歌になる・・・と・
 なるほど、「マダムの膝の上」となると、もっと妖しい?


牙をむいていた 私の
居場所が
そこにあった
表現していいんだと 知った
窓辺の椅子

 この気持ちがよくわかります。個性は受け入れられないと、人にも自分にも
 牙になってしまうことがあります。
 そして、それを押し込めて生きていくのは辛い。孤独でもあります。
 私が五行歌を始めて、この4行目と同じことを知りました。
 作者も、そうだったと、コメントされていました。


私の歌

山のかたち
雲のかたち
どこにでもあります
思い出のあなたが
座る場所は

 これは、向井さんだけでなく、今までに交流があった、歌友への
 鎮魂歌です。忘れません。


自由詠

トツー ツートトツー
昨日(きのう)と先程(さっき)を混同しても
70年前の逓信省勤めの
モールス信号は
今なお 母に健在

 いやあ、すごいですね。70年前ですか。
 逓信省とう役所に懐かしい響きを感じます。私の亡父も昔逓信省に
 勤めていました。関東大震災の時まで。お昼休みに芝生の上でくつろいで
 居た時、地震が襲ってきたそうです。
 それはともかく、この1行目の信号は「今」という意味とか。
 「今」「昨日」「先程」と、時間をうまく使って、お母様への賛歌になっています。


夢をみよう
れんが畑の紅
浜ひるがおが延びる浜
流れのメダカの銀のひらめき
想像力はまだ残っていたよ

 夢にでも見なければ、もうこういった光景は見られなくなったのでしょう。
 豊かな自然、科学、化学が幅をきかせる前のごく普通にあったこの
 風景。
 作者の想像力は素晴らしい。作者がまたあのK子さんだと知るとなお
 味わい深い。


雪だるま残して
梅に桜と咲いていく
ながーい日本列島
おお、菜の花畑が花盛り!
ハ、ハ、ハ、ハ、春ですねえ

 一昔前のキャンディーズの歌を思い起こさせます。
 ながーい日本列島の春をリズムに乗って、思わずメロディもつけたく
 なります。5行目、ハ、ハ、ハ、ハ、の後に、花粉症の人だったら
 ハーックション と付けたくなるかも・・・笑


迷ったままの
思惑のせて
春の風に
失速していく
紙飛行機

 紙飛行機は風に乗ったら、どこまでも飛んでいきそうなのに。
 迷いという思いが「重く」、失速していったのか。
 青春の迷いが感じられます。
 どこまでも、と飛ばしたかった夢、恋、理想。


私の歌

旅立ちに
微笑みうかべた
あなたのくちびる
さくらの蕾が
紅さすような

 2月に亡くなられたお二人に、最期の別れをさせていただいた時、お二人とも
 わずかに微笑むでおられるようで、その唇はうっすらと紅をさして
 おられました。「おくりびと」という映画が賞をとりました。観てはいませんが
 こんな気持ちでしょうか。
 寂しさ、悲しさの中に、故人が豊に生きられたのではないかと感じられた、
 少しだけほっとさせられた、そのくちびるの紅。
 
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by machako-hamakaze | 2009-03-08 17:00

今回から欠席歌も受付開始のはなみずき

今までは紙上参加(採点も評も事前にだして、出席歌と同じ扱いになります)
だけだったのですが、今回から、歌だけでも、と言う方のために、受付される
ようにされたようです。私も歌ができたら、欠席歌で参加しますね。

皆様も出席できなくても、是非投稿してくださいませ。
というのは、一応、出席の方との公平を規するため、ハマ風に掲載の
欠席歌1席は5首以上の投稿があったとき、ということになっています。
ですから、今回も3首のご投稿だったので、残念ながらハマ風には
掲載できません。


割れ鍋に
とじぶた
ここいらで手を打つ
レベル一緒が
我ら夫婦(めおと)となり

 理想のご夫婦だと思いますよ。だいたい、どうみても割れ鍋に綴じ蓋と
 思えるカップルはだいたい、自覚しておられません(笑)
 いえいえ、私は自覚していますが・・・・
 3行目が愉快。


まるで
伸びた日脚に反比例するように
意固地になった気持ちが
どんどん萎縮する
親とは、子とは、こんなに切ない

 どんな確執があったのでしょう。
 思いあっているのに、かみ合わない、親子の切なさが伝わります。
 
 「ように」と比喩の表現があるので、1行目の「まるで」はなくてもよいのでは。
 そうすれば、あとの行わけで、歌の整理ができると思います。


若さがあふれていた
初めての登山、寝袋
ご来光に心洗われる
遙か彼方の思い出が
甦る午後のまどろみ

 山というものは、見るもので登るものではない!と、若い頃思っていました。
 まあ、体力と根性がない私は、単にきつい思いをしたくなかったのです(笑)
 でも、30代になって、初めて鳥取の大山という山に登り、登りきったときの
 すがすがしさを知りました。ご来光は見ていませんが、作者のように、
 山登りのよさを初体験できたのです。

 5行目を「まどろみ」と名詞で切ってしまわれるよりも、「甦る」と
 動詞で終られたほうが、歌が生きるような気がします。
 名詞で終ると、広がりや余韻がなくなる場合があります。



  
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by machako-hamakaze | 2009-03-06 14:37

久しぶりのさくら会

先日、藤沢日曜歌会が100回記念だったのですが、こちらさくら会は
なんと、今回で127回目になります。
熱心な会員さんたちが月に2回の歌会をされているからです。

さくら会になる前の講座は3ヶ月間毎週あったのです。
それが、歌会になるときに、急に月一回では少なすぎる・・・と、
最初の1回はグループだけの歌会、2回目はオープンに、
なったのです。ですから、歌にたいする気持ちが皆様とても
情熱的です。ランチの2次会のあと、カラオケにいかれることも多く
そちらの「歌」への情熱も!(笑)

今回もどの歌を採点からはずさなくてはいけないか、という辛さです。


臆面もなく と
感じること
我が身にもある
人知れず赤面と反省の
くりかえし

 とても内省的なお歌。こういうことを感じる作者の謙虚さが、今の
 政治家さんに少しでもあれば・・・とさえ思われます。
 臆面もなく、ということの表現がもう少し具体的だともっと、
 歌が生きるかもしれません。


「あれが うちのダンナ
腕のいい大工なの
何か有ったらお願いネ」
ああ いい夫婦
何だか私まで あったかい

 読んだこちらもあったかい、です。会話をうまく切り取って、状況が
 すぐにわかります。そして作者の気持ちも。


次の2首

もう
泣かない
義母(あなた)の
とっておきの笑顔を
曇らせたくないから

もう泣かない と決めた
あなたの泪
心から溢れて零れるときは
私の心に掬って
大切にしまっておくよ

 「もう 泣かない」と同じフレーズで始まっている。
 歌会直前に、最初のお歌の作者のN松さんのお義母さまがなくなられたと
 伺ったので、作者はすぐわかりました。
 ほんとうに、お義母様を大切にされていらして、そしてとても可愛がって
 くださっておられたということは以前から伺ってました。
 
 そして、お歌です。お義母さまの「とっておきの笑顔を/曇らせたくないから」
 と、思われる作者のお気持ちがあまりにも優しい。ただ、亡くなられたことを
 知らないと、何か他の理由からかどうかと、少し解かりにくいかもしれま
 せん。読み手には迷いが生じるかもしれません。

 2首目。これはN松さんのことを受けたお歌だとすぐわかると同時に、どんな
 状況かわからないけれど、心の友である大切な友人が決めたことだから、と
 いう思いやりと友情の気持ち溢れたお歌です。

 歌は背景にある作者の状況がわからなくても、普遍的に理解できるという
 ことが、絶対とは言いませんが、ある程度必要だと思うのです。
 
  
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by machako-hamakaze | 2009-03-04 08:41