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五行歌雑誌「ハマ風」の歌紹介ブログ
by machako-hamakaze
ICELANDia
,
【管理人】 岡本まさ子
【著 書】 五行歌集
       「宙で寝返り」

【プロフィール】
五行歌雑誌「ハマ風」編集してます。
・藤沢日曜歌会の代表をしています。

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ハマのうたかい(5月6日)

とうとう6月に入りました。

本当に更新が進まなくて、ちょっとイラついています。
このところの忙しさは尋常じゃないなあ。

もっと余裕を持たないと、歌も書けないし、ここもおろそかに
なってしまいそうです。


子離れ出来ない
親たちが
草食系にしたような
三人揃って大学入学式
いざ出陣

 とてもテーマがよくて、面白い表現なのですが、3行目が惜しい
 ですね。
 「草食系にしたような」は「○○のような」という比喩の表現と
 思われてしまいます。これは、「したような。」と切れるのだと
 思います。

 ここははっきり「草食系にした」「してしまった」とか、言い切った
 ほうが良いと思います。
 
 草食系が「いざ出陣」というのも、皮肉が効いていて面白いです。


好物のお菓子とコーヒーを入れて
夫婦連れ立つ
月命日
やあ いらっしゃい!と
春告鳥(うぐいす)がお出迎え

 どなたかの月命日に、ご夫婦揃って、その方の好物だったお菓子と
 コーヒーを入れて、お墓参りに行かれたということなのですね。

 このお歌も少しだけ、解かりにくいところがあります。

 ご夫婦と月命日の方との関係です。

 読みようによっては、ご夫婦のどちらかが亡くなって、まるで
 その方がいらっしゃるような感覚で月命日のお墓参りに
 いらしている・・・とも取れてしまいます。

 3行目に「○○の月命日」とあると紛れがなくなるでしょう。


ナオコさん
銀河宇宙
ティールーム窓際の席
わたし
花宇宙

 ユニークな表現です。
 すべて名詞止めになっています。
 そして、わかりにくい。

 1行目の「ナオコさん」は2行目があるので、宇宙飛行士にあの
 女性だとわかりますが、それは、今だからこそのことです。
 新聞テレビで騒いでいても、興味の無い方には名前があっても
 わからないでしょう。何年かしたら、ナオコさんを覚えている人
 のほうが少なくなるでしょう。

 むしろこのお歌の良さは3行目からです。
 宇宙飛行士の「ナオコさん」は本当に宇宙に行ったが、作者は
 ティールームの窓際のお花がいっぱいの席で、ご自分だけの
 花宇宙を体験している・・・・
 詩人です。
 あえて、「ナオコさん」と比較しないでも、良かったのではない
 でしょうか。


今回はテーマ、目の付け所、表現のユニークさと優れているのに
ちょっとしたところで、歌を解かりにくくしているところを書いて
みました。
by machako-hamakaze | 2010-06-05 23:19
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